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Chapter.3 応用編

複数の光源による撮影(白立ち上げ法)

二つ目の光源

さて、一灯の光源による撮影をマスターしたら、光源を増やしてみましょう。光源を増やすとどのような効果が可能でしょうか?

  1. 別々の方向から照らす

    「7:光源を用いた撮影」のライティングの方向で触れましたが、光のあて方は順光・斜光・逆光・半逆光・トップ光・サイド光等に大別できます。このうち同時に二ヶ所以上を選んで投光するということになります。

  2. 別の場所を照らす

    モデルと背景、モデルと床面など、モデルを引き立てるためにあえて他の場所を照らす方法、二つ以上のモデルを別々に投光する方法となります。

  3. 別の色で照らす

    フィルターや色温度の違いなどを利用してカクテル光をあえて作り出し、モデルの立体的表現に味を添える、隠し味的使用方法となります。

 

また、これらを組み合わせれば、より複雑な光源とそれによる演出が可能ということになります。ただし、あまり複雑なことをすると深みにはまるだけかもしれません。

 今回私が用意したのは20Wの蛍光灯スタンドと15Wの蛍光灯です。かなりの年代ものですが、これでOKです。

光源が増えた場合の基本

ここで光源の種類について定義しておきましょう。

 主光 :あくまで主役となる中心的な光線です。一番明るい光線としてモデルにあてる光です。

 補助光 : 二つ目以降の光。モデルに対して補助的に与える光と考えてください。主光に対する光量の比率は1:1になることはあっても主光を超えることはありません。主光以上に明るい場合はこちらが主光にとって変わったことになります。

 また、一灯の光源とレフ板を用いた場合は、光源は主光、レフ板からの反射は補助光と定義づけることも出来ます。

 ライティングに迷ったときは、どれが主光でどれが補助光なのかを整理して考え直してみると、イメージにあわせた修正が行いやすいと思います。

 上の写真で主光は右上、補助光は下、左後ろの銀レフも補助光となります。また光のあて方が隣り合わせの場所にならないように、サイドトップ光・順光下・サイド半逆光と振り分けています。

1)別々の場所から照らす

 別々の場所から照らす場合について考えてみましょう。

 「7:光を用いた撮影」のライティングの方向で触れましたが、光のあて方は順光・斜光・逆光・半逆光・トップ光・サイド光等に大別できます。このうち同時に二ヶ所以上を選んで投光するということになります。

 別々の場所からといっても、左斜光と左サイド光とか順光とトップ光のように隣り合った場所からの照射ではその効果はほとんど現れません。

 ただし、照射面積が広がるという効果ありますから、芯のあるディフューズ光といった光線になり、影消しや、コントラストの低減といった意図であれば、効果的照射であるといえます。

 「別々の場所から照らす」基本は、ライティングの方向で示す光線の方向のなかから、間をひとつ飛ばした場所から・・・

 順光と逆光(トップ光の部分を使用していない)

 トップ光とサイド光(斜光の部分が空いている)

のように隣り合わせになる部分を使わないのがより複数投光の効果を出す方法といえます。

 二つの光源の強弱という要素も加わってきます。右斜光と左斜光に強弱をつけると直接光とレフ板による反射光と同様の効果が現れます。

 上の状況写真で撮影したのが左の写真です。レフ板の効果が思ったよりも現れていませんが、緩やかなカーブと大胆なエッジで構成されたギャンのボディーラインをうまく表現できているのでは、ともっています。

2)別の場所を照らす

 この投光の使い方には二つの異なった効果があります。

 1) 影を消す。

 2) 光の力関係を変える

1)影を消す・・・について

 順光による投光では必ずモデルの背面に陰が出ます。トップ光やや後ろよりモデルの背面に投光することによりこの影を消すことが出来ます。同様に右斜光・左レフの状態からさらにトップ光やや左後ろ位置から投光すると足元の影を消すことが出来ます。

 このように、モデルではなく、影に向けて投光することにより、影を消してしまうことが簡単に行えます。

 右の写真では順光やや上からあてた光による影を左サイド逆光目にあてることで影消しをしています。モデルの足元に明確な影がないことが確認できると思います。

2) 光の力関係を変える・・・について

 1)とはまったく異なり、モデルの印象を変えるための投光法が2)です。主光は順光でモデルを照らし、もう一灯の光は背景に角度を絞って投光しました。補助光は完全に味付けとしての光の使用法でモデルには投光されたいませんが、モデルの雰囲気を大きく変える効果があります。「敵役の雰囲気を盛り上げたい」とか、「正義感を前面に出したい」とか・・・自分の持つイメージを光という手段で表現することも可能です。

3) 別の色で照らす

 あえて色の違う光をあてることで、立体の強調。単調な面へのアクセント付けが可能となります。ガンプラの組み立て説明書の多くはこの投光方法が多く用いられています。ご覧になってみてください。

 色のついた光はあくまで味付けですから、強くなりすぎると毒気の強い、いやみな感じになります。また、すべてを色のついた光で照射してしまうと、単に色カブリと判断されてしまいます。

 やはり、主光・補助光の関係を整理し、モデル本来の色を残しておくとよいようです。

 意図的に雰囲気を作るのではない限り、色のついた光は控えめに照らすほうが好感の持てる写真になると思いますが、バランスはあくまで撮影意図とセンスの問題なので、「・・・でなければならない」は存在しないかもしれません。

 左は完成品コーナーの写真ですが、赤フィルターをかけたストロボを画面右下より照射しています。背景用に用意したカレンダーにも写りこんでいます。 明らかに失敗の部類に入るかもしれませんが、ビームライフルの軸線上にあるせいか、なんだか妙にマッチしていると感じてしまい、採用としました。

そして白立ち上げ・・・

 白い背景にモデルを立ち上げる(沈ませる)撮影法

 2)の「別の場所を照らす」を応用すると簡単にライティングを終わらせることが出来ます。

 背景全目に光を投光すれば背景を白く飛ばすことも出来ます。

 さらに背景に当てる光を強くすれば、白い部分がモデルの輪郭に回りこんできます。露出の補正量によってシルエット的表現なども可能となりますし、何よりも清潔な正義感を醸し出す光の使い方といえます。

 上の写真では背景を明るく飛ばすために、明るいほうの電灯を背景照射に使用しもう一灯を手前右側から照射しています。モデル(GM)の前の部分が暗くなっているところミソです。後は露出をプラス補正すればよいわけです。

 こうして出来上がったのが左の写真です。

ヤラレキャラなど揶揄されることの多いGMですが、なかなかどうして、正義感あふれる堂々としたいでたちに見えませんか?

白立ち上げ黒立ち上げの意味

 白い背景にモデルを立ち上げる方法・・・ご理解いただけたでしょうか?

 白立ち上げ、黒立ち上げというと過敏に反応するかたもおられるかもしれませんが、塗装技法とは一切関係ありません。あくまでモデルの背景処理の方法として捕らえてください。

 白飛びや黒つぶれは、本来あってはならない撮影の失敗のひとつといわれてますが、撮影と同時に完結する表現の一手段であると同時に、背景をどちらかに飛ばす(つぶす)ことにより、レタッチソフトでのマスク処理を簡単にする効果もあります。

 最終的にCG合成を作品の完成と位置付ける場合、マスク処理が簡単に済むということは時間の節約に貢献しますので、会得しておくと大変便利です。

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