レンズ構成 : 4群7枚
絞り : F8固定
フォーカス : マニュアルのみ
EOS D30では960mm相当の途方もない画角になります。
現行品です。
キャノンのEOSでミラーレンズを使ってみたいとなると、もはや純正にはなく、現行品ではタムロンの500mmF8かSIGMAの600mmF8といったところでしょうか?
タムロンの方は交換マウントによる対応ということですが、EFには未対応。となると必然的にSIGMAとなってしまいます。
リングボケを撮れる。望遠のわりに割安…となると、持っていても損のない1本だと思っています。
ところがお世辞にもファインダーの作りがいいといえないD30。加えてF8と暗いマニュアルフォーカスのみのこのレンズのピント合わせはなかなかてこずるところでもあります。
ちなみにこのレンズをボディーに装着しても「レンズがついてない」と判断され、フォーカスエイドも動作しません。
600mmという長さ、バランス的な問題もあるのでしょうが、三脚を使用してもミラーアップしなければほとんどがブレ写真になってしまう。ほんとにてこずるレンズですが、捨てがたい魅力たっぷりのレンズです。
そんな一面を以下に…
※ 画像はサイズを変更、Jpeg圧縮率を変更してあります。
リングボケというのも良し悪しなんでしょうが、花とリングボケ、雨のリングボケなんてのはやはりファンタジックな絵作りには有効だったりします。
上の写真は室内から庭に咲くアヤメのつぼみを撮ったもの…若干露出はオーバー気味ですが、つぼみの初々しさが表現できたような気がします。リングボケもくどくない程度につぼみを引き立ててくれています。(自我自賛!)
いつでもどこでもつかえるというレンズではありませんが、ここ一番!というときに使える隠し技みたいなもんでしょうか。
ところで・・・
ミラーレンズって、凸面鏡と凹面鏡を使って鏡胴内で光を折り返して結像させるため、全長が短くコンパクトなレンズを作れるのが魅力なのですが、絞り機構を取り付ける場所がなくなってしまい、結果固定絞りということになってしまいます。
構造上フレアにも弱く、いかなる状況でも、フードを取り付けないとまともに写らないことも欠点でしょうか。
安価に超望遠が作れることから、一時期どこのメーカーでもラインナップに加えられていたミラーレンズですが、カメラのAF化とともに、今ではほとんど姿を消してしまいました。
わずかにAFのミラーレンズを出しているのはミノルタだけという状況です。 ところで上の撮影データーを見て何か疑問に感じませんか?
レンズが70-200mmなのに焦点距離は50mm…絞りのデータもありません。ボディーはレンズを未装着と判断しているため、基本データが表示されているようです。
となると測光はどうなるのかというと、中央重点測光として機能しているようで、露出補正の方も非常に難しくなってきます。
ところがそこはD30。撮ってプレビューで見て調整を繰り返せば難なく適正露出を手に入れることが出来ます。
絞り機構がないレンズということで最高シャッター速を超えるときはというと、後部差込みフィルーターにND4のフィルターを入れることで対処します。付属のフィルター以外は受け付けないようで、別途購入しても無駄になる可能性があります。(厚さが問題)
これは夕日(太陽)を撮影した時の秘話ですが、ISO100でND4のフィルターをかけてもまだ露出オーバーという状況になりました。それでもどうしても撮りたいと思い、レンズ前面を半分ハレ切りようの板で隠してやったところ、みごとに減光しました。
さて、下は大きく写るの写真です
夕暮れ時に真南に浮かぶ半月です。下は月の下部を等倍ピクセルできりだしたものです。クレーターがくっきり見えます。
シャッター速度1/15による被写体ブレのせいか、ただ単にピントが合っていないだけなのか、若干フォーカスが甘めです。が、600mm(960mm相当)のパワー絶大の引き寄せ効果です。