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使用を終えて 先頭へ
1年4ヶ月の使用期間  2002年7月17日の撮影を持って、私とEOS D30の付き合いは終わりました。

 購入日が2001年3月18日ですから、ちょうど1年4ヶ月ということになります。
 この間、風景はもちろんのこと、動くもの止まるもの、明るいもの暗いもの…あらゆるものにカメラを向けてきたつもりです。
 総撮影枚数は22,808枚。22.6GB(24,365,560,488バイト)に上ります。これらすべては一本のHDDとバックアップ用に10数枚のCD−Rに書き込み、すべてが保存され、すべてがいつでも取り出せる状態になっています。
 ただし撮影のほとんどは、LargeFineモードによるJpeg画像ですから、幾分圧縮されていることは事実です。
撮影写真からピックアップ  さて、この使用期間中に撮影した写真の中にも我ながら名作と呼べるものがいくつか残っています。
 そんな写真を撮影の思い出とともにピックアップしてみました。

 私のD30ベスト集です。 「D30気ままギャラリー」のほうに「ありがとう EOS D30」というかたちで収めてあります。  お楽しみください。


コストから見た総決算
購入価格  EOS D30の購入価格は26万円前後だった。
 同社銀塩一眼レフEOS-1Vが実売27万円。D30のカメラ機構がEOS7より劣るであろうことを考慮に入れると、決して安いといえる値段ではない。
 ならば、フィルム代等のランニングコストを考慮に入れるとどうなるだろうか?
私の場合

22800枚×0.7≒16000
16000/36≒445

36枚撮りフィルムで445本分
 上のほうにも書いたように、1年4ヶ月の撮影枚数は22,808枚。
デジカメだからシャッターを切りすぎたであろう分を考慮してみると…

 1)インターバルタイマーによる連続写真。
 2)露出ばらしによる3枚撮影。
 3)意味のない試し撮りや「とにかく押しとけ」

が、考えに上る、これが逆に作品を生む結果になっていることも事実だから、すべてを減算対象にするわけにもいかないので、約3割ほど引いて16、000枚とする。36枚撮りフィルムで、およそ445本分に相当する。
 
銀塩換算による
ランニングコスト


総合計¥567,000くらい
 445本のフィルムすべてをリバーサルに換算してもよいのだが、途方もない数字になることは予想がつく、ならばネガカラー換算でフィルム代はただ。というのも撮影スタイルから見ても現実的ではない。
 過去の撮影経験から比率を換算すると、ネガ対リバーサルを3:2として
   267本:178本
 となる。ただでもらえるネガフィルムは24枚撮りが主流であり、安物だから結局、買ってしまうネガフィルムもあるので・・・
 無料のネガフィルムは24枚撮りを200本
 購入したネガフィルムは36枚撮りを150本
 購入したリバーサルフィルムを36枚撮り180本
としてみた。よってフィルム代は
 ネガ    150本×\500 = ¥75,000
 リバーサル180本×¥900= ¥162,000
合計¥237,000となる、
 ネガは現像のみということも多いので、その辺を計算に入れて、それぞれに値段を入れると・・・
 ネガ同時プリント 200本×24枚×25円=¥120000
 ネガ現像のみ  150本×550円 = ¥82500
 リバーサル現像スリーブ仕上げ 180本×1000円=¥180000
    合計 ¥345,000となる。
 各価格に関してはShopによる差もあるだろうし地方による差もあるので、私の現状と考えていただけるとありがたい。

 フィルムと現像代の合計は¥582,000-
もちろん電池代もかかるので2CR5を10本ほどつけて+¥15000ほどのせておくと

 総合計¥567,000-となる。
安い買い物? ランニングコスト ¥567,000
購入価格     ¥260,000
差額        ¥307,000 の得!

 さてこの数字を見ただけで、EOS D30は十分買いであったということになるのだが、さらにD30の売却価格が加わるととんでもないことになるので、あえて数字の列挙はしない。
 もっとも、「元が取れることを前提とした数字の列挙だ!」と、やっかむ向きもあるだろうから、安いか高いかの最終判断は個々にお任せします。

 私としては、30万円台の一眼レフデジカメは十分買いだと思っています。

使用感から見た総決算
銀塩からデジタルへ  私とカメラとの出会いは、別のページでも触れているので割愛するが、「いずれ廉価な一眼レフデジカメは出るだろう。」そんな憶測の元に、コンシューマデジカメには目もくれず、銀塩(アナログ)からカメラの世界へ足を踏み入れた。
 デジタル化してもレンズが生きるだろうという目論見から、まよいもなくCANONのEOSを選んだわけで、たいした寄り道もせずに、カメラと写真のデジタル化を果たした。
 最も銀塩EOSが写真のイロハを教えてくれたことは言うまでもなく、機材・技術の両側面もデジタル化後も生かされている。

 近年、コンシューマデジカメから一眼レフデジカメへとステップアップされる方が多いようだが、正直言ってその敷居の高さは並大抵なことではないようで、苦労されている御仁を幾度か目にしてきた。
 1)フィルムフォーマット(画素サイズ)が大きくなり、被写界深度が浅くなること
 2)操作性のの大きな違い、特にファインダーを覗く行為
 3)シャッター幕以前は銀塩(アナカメ)のままであることに対する戸惑い
   などが上げられる。
 一眼レフデジカメはデジタルカメラというよりもフィルムをデジタル化しただけの、いわば「デジタルフィルム」カメラとでも呼ぶべき、アナログ感覚の製品だからだろう。
コンセプトはEOSそのもの  以前からCANONはEOS1nをベースにした業務用のデジカメを発売してきたが、価格も数百万円台、格好もでかくてごつくて、普通に使える(買う気はなかったが)代物ではなかった。
 しかし徐々に価格は降りてきて20万円台後半の価格ともなると不景気にもかかわらず飛ぶように売れたようだ。
 ターゲットはEOSユーザー。なんせ既存のレンズが生きるのだから、当たり前。

 一見派手そうに見えるCANONではあるが、用意周到にカメラの売込みを仕掛けてくる。地味で堅実な側面も併せ持つカメラメーカーの王道を行くメーカーといわざるを得ないと私は思う。
 D30の操作性にもそんな要素が垣間見れる。なんと言っても手にした瞬間から取説をみずして大方の操作が出来てしまった。
 後から取説を呼んでも、「知ってる知ってる」とただうなずくだけ…銀塩EOSからの移行組みには実に違和感のない製品である。最もデジタルに対する知識がないとこれがまた戸惑いを生むことも事実であるが・・・
カメラとしての出来栄え  銀塩一眼レフとデジタルフィルムのハイブリットな製品であることは上にも書いたが、カメラとしての機械部分の評価をしてみる。

 基本となるカメラユニットはEOS7だとよく言われるが、AFはどちらかというと、EOS Kissに近く、測光はKissVの流用、シャッターユニットはEOS7からといった感じに思える。もっともAPS同様の画素サイズを考えればEOS IXE(いくしーじゃないよ)から視線入力を外しただけ…という気もする。
 いずれにせよ既存からの流用でコストに見合った組み合わせをしたというのが妥当な答えだろう。このへんはD60で部品レベルでのバージョンアップが出来たことからも伺える。

 作りはともかく、測光に関してはこれがよくあたる。ほぼ評価測光のままで外れたことはなかった。上と下に1/3ずらして撮影しておけば後で困ることはほとんどなかった。
 AFに関してはちょっと頼りないといわざるを得ない。ファインダーも見づらいからピントに対する不安は撮影後も大いに気なった。
 手ぶれに関してはISレンズを使いことで、かなりの確立で回避できたが、プレビュー画面でも確認できないレベルの手ぶれに関しては対処しがたく、手ぶれに対する自分の力量を覚えておく必要がある。

 ボディーは頑丈そのもの、おそらく報道の現場等も意識したのだろう、EOS−3並みの重さを感じた。
電子係  さて、フィルムにとって変わったC−MOSセンサー以降の感触はというと、努力の跡がうかがえる、ここはもはや銀塩EOSにはない領域だからだ。
 ところがたくみにデジタルを意識させない作りで、入り込んでいる。スムーズにプレビューでき、設定ができ、しかもシャッターボタン半押しで撮影に戻れる作りは、コンシューマデジカメには見られない、撮影と確認を両立させた作りとなっていた。
 実に待ち時間の少ない、シャッターチャンスを優先させた作りはカメラをよく理解しているメーカーだなと感心させられる。
 欠点を並べるなら、夜景に弱い点だろうか、ノイズが多いこととノイズ除去のために次の撮影ができないのがつらいところだった。
 ヒストグラム表示と白とび部分が点滅するプレビュー(Info)画面は露出状況を把握しやすく、便利だった。
 撮影のほとんどはHDD340MBタイプのマイクロドライブを使用したが、ほぼノントラブル。時々画像単位で「プレビューできない」という現象に見舞われたが、そんな画像でもなぜかパソコンに取り込むことが出来た。
 充電満タンでマイクロドライブ一本分の撮影、およそ300枚前後(ストロボ未使用)で電池がなくなる。ひとつの目安となるので非常にわかりやすかった。
画像の取り込み  付属のソフトはPhotoShopLEをはじめとして、画像データベース系など数点がついてきますが、練り上げはもうひとつといった感じ。
 特にUSB経由の画像取り込み方法は時間がかかり、いらいらすることもしばしばでした。
 1画像のサイズを考えるなら、もはやUSBは限界でiリンク採用も必要であろうとおもうのですが、カメラ側に組み込むためのコスト、ユーザーのパソコンの環境整備などを考え合わせると、いたしかたないのかもしれません。
むすび  以上。いろいろと列挙してみたが、価格に見合った満足感を与えてくれるカメラであったことを付け加えて、D30についての私なりの評価を終了したい。

・・・と、いろいろ書いてみましたが、それでもまだまだ現行機として十分通用する性能を持つカメラです。
 なんと言っても300万画素という画素数はパソコン上では実に手ごろで使い勝手のよいサイズ。3:2の画面比率も構図を整えやすく、絵作りには便利です。

 CANONさんにはこの画像素子を再用した廉価な新機種を期待しています。ずばり10万円台中盤、第三世代の一眼レフデジカメ「EOS Kiss D」なんて、いかがでしょうか?
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